本業でインドネシアに来ている

本業でインドネシアに来る用事があった。

ブログを更新できていなかったのもその準備でバタバタしていたからだ。しかも、その間に狩猟免許の試験を受けるというプライベートの一大イベントがあったので心の余裕がなかった。

出発の当日も出発準備ギリギリまで仕事をして、関西空港でなんとか頼まれていた原稿を仕上げた。そのままマレーシア経由でインドネシアへと向かった。降り立ったのはスラバヤという都市である。

インドネシアの第二の都市で日本領事館もある。町の名前は「鮫・ワニ」だそうだ、「スラ」はインドネシア語で鮫(サメ)意味し、バラはワニを意味するのだとか。そんな獰猛そうな町の名前は、スラとバヤがこの地で最強の動物を争ったという神話に由来しているという。もともとワニもサメも海に住んでいた。仲が良い友達だったのだが、ある時、食べ物でもめたそうだ。両者は激しく戦った後、ワニは陸でサメは海で食べ物を探すという約束をした。だからワニは陸に住み、サメは海に暮らすようになったということだ(実際にはもっと複雑なので興味のある人は以下の英語のサイトを参照してほしい)。

https://folklore-lover.blogspot.com/2001/07/legend-of-surabaya-story-folklore-city.html

そんな町でどんな用事があったのかというと、国際会議に出席してプレゼンをしなければならない。ちなみに数日の滞在後、そのまま自分の取材先であるタイへと向かう予定だ。

関西空港を昼頃出発して、スラバヤに到着したのは深夜である。インドネシア入国にはビザがいる。オンラインで取れるらしいが、めんどくさいのでそのままにしておいた。入国時にもそのまま取れるからだ(入国時にビザを購入するアライバルビザというやつだ)。現地時間の夜23時半、つまり、日本の1時半に飛行機はスラバヤに降り立った。

これからビザを取らなきゃならない、めんどくさいなあと思っていたのだが、アライバルビザとかいたブースに行くと「パスポート」、「マネー」の二語で済んだ。実際にはクレジットカードで決裁した。50万ルピア、4500円くらいだ。ビザのシールを渡される。その間、約1分ほどだろうか。書類を準備してオンラインビザを取得するのが馬鹿らしくなるほどの速さであった。そのあと、入国審査があり、入国が許可されれば入国審査官がパスポートにシールになっているビザを張ってくれる。小さい空港で飛行機を降りてから20分もあればタクシー乗り場に辿り着くことができた。

以前にインドネシアは来たことがあり、Gojek(ゴチェック)という配車アプリを使っていた。出前も頼める便利な代物である。空港から市内までは20kmほどとそこそこある。そのGojekでホテルまでの車を頼もうとしたら、闇タクシーが話しかけてきた。その間、タクシーの運転手(制服みたいなのを着ている)や闇タクシー(私服)にも話しかけられるが無視をしていた。タクシー乗り場の端っこでGojekをいじり、「市内までは150000Rps(1300円くらい)か、まあ頼むか」とまさにスマホをクリックするタイミングで誰かが英語で声をかけてきた。

「Uberか、安くするから俺のところ使わないか」

手元のスマホにはUberのアプリが開いている。すぐに客が取れるように開いていたのだろう。私はすかさず答えた。

「違うよ、Gojekだよ」

「どっちでもいい、安くするから俺を使わないか、どこに行くんだ」

「●●ホテルだ」

「じゃあ、12万ルピアだな。こっちのが安いはずだ」

と計算機アプリを使って、スマホを見せてくる。悪くない値段だった。

けれども、まあ、いいかと思った。安いし(数百円の違いだが)、目の前にいるし。もちろん配車アプリとは違い、運転手の身分が確認されているわけではないため安全性は配車アプリよりは薄い。昔はそんなの普通だったが今はそんな時代じゃない。でもせっかくなので、そのスマホにそのまま11万と入力した。

「OKだ」

と答え、彼は近くに止めてあった自分の車に私を案内した。

大人になってから交渉も面倒くさいし、Grabなどの配車アプリが人口に膾炙してからは、知らない町であまり値段交渉をしなくなっていた。30分ほどの道のりでホテルに無事についた。その場で現金を渡す。Grabとかだとクレジットカードに紐づけされているので、現金を手渡しするというのも久しぶりの経験だ。

知らない町はわくわくする。仕事はするけど、それよりも知らないところを歩き、知らない言語をちょっとだけ使い、知らないものを食べるのが楽しみだ。


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